伝統の現在'シリーズ第3弾

怪談・木霊女房

怪談・木霊女房 チラシ
日時
全公演終了しました。
2005年8月11日(木)〜14(日)
場所
俳優座劇場
作・演出
竹内銃一郎
出演
茂山正邦・茂山宗彦・茂山逸平・広岡由里子
ストーリー
怪談・木霊女房 写真

今は昔。夜な夜な幽霊が出没するというので、すっかり客足が途絶えてしまった温泉宿が舞台。幽霊は今宵も現れて、宿の女房と酒を酌み交わしている。ふたりの親しげな様子を見て、宿の主人は女房をなじるが、「あんたがはっきりしないからだろ」と女房に切り返される。幽霊は女房の元亭主で、主人の兄である。おまけに、女房と謀って兄を殺した後ろめたさもあり、強く出られないのだ。

旅の僧が現れる。煮え切らない亭主に見切りをつけて、女房が幽霊を冥土に送るべく呼んだのだ。旅の僧は、いかにもインチキ臭い経を唱えるが、幽霊はむず痒そうな素振りを見せるだけである。どいつもこいつも役にたたない。

女房に妙案が浮かぶ。旅の僧を坊主の肉が好物の<鬼>に売り渡し、その金でかさんだ借金を清算してしまおうというのだ。その計画を耳にした旅の僧は、慌てて逃げ出す。そうはさせじと、主人は刀を持って追いかける。女房は、虚空にむかって聞きなれぬ不思議なことばを叫ぶと、鬼が現れる。

山道。追いついた亭主は、刀を振り上げて脅すが、旅の僧は、怪しげな「磁石の術」を使い、亭主は逆に追い詰められる。と、そこに鬼が現れて……。

これは、狂言の「磁石」と「右近左近」をあわせてこねあげた、怪しい新作。結末やいかに?