野村万作萬斎狂言会第23回
☆刀剣なりきり「粟田口」 vs 仏像なりすまし「六地蔵」☆
現代狂言界を代表する人間国宝・野村万作、萬斎による大阪唯一の能楽堂定例公演。今回は狂言の代表的なキャラクターのひとつ『すっぱ』が活躍する2曲をお届けします。
すっぱは『素破』『透破』とも記されて、戦国時代からは間者、忍者となったりしますが、狂言では徒(いたず)ら者とも呼ばれて街の悪者、騙り者といったイメージで親しまれています。いかにも狂言の登場人物らしく、どこか憎めないキュートな小悪党が巻き起こす、狂言ならではの大騒動の連発です。おおらかで軽妙洒脱な《江戸前狂言》の神髄をご堪能下さい!
<蛇足>関西エリアの方には2曲名とも日常的な地名・駅名でしょうし、歴史愛好家なら古い由緒もご存じでしょうが、その他の方々、特に若年層には何のことやら?かと思いきや、「粟田口」は人気の某ブラウザゲーム(ミュージカル、舞台劇にもなって)に登場して今や全国的に有名で、注目を集めているようです。仄聞するところでは、擬人化された刀剣が架空のキャラクターになって歴史上の合戦や事件で活躍したりするようで、まさに本曲の趣向にも似たものがありますし、「六地蔵」の仏像なりすましにも通じて、古の狂言の発生、成立の頃もかくやと思わせられます。狂言の突飛なまでに自由な発想、パロディ精神のたくましさが、現在も脈々と息づいていると言えるのかもしれません。
- 番組
- 粟田口 あわたぐち 野村萬斎 石田幸雄 深田博治
大名は太郎冠者を呼んで、都に行って道具比べに出すための粟田口(刀の銘)を買ってこい、と言いつける。粟田口とは何のことかも知らず、あてもなく探し歩く太郎冠者に言葉巧みにすっぱが近づき、我こそ粟田口だと名乗り出る。すっかり信じ込んだ太郎冠者がすっぱを連れて帰ると、大名は粟田口の説明書を見ながら、果たして本物かどうか確かめようと、すっぱを問いただすが…。
芸話 野村万作
六地蔵 ろくじぞう 野村万作 内藤連 月崎晴夫 竹山悠樹 他
新しい地蔵堂に安置する六体の地蔵を求めて、田舎者が都に出てくる。都のすっぱが仏師と称して近づくと、一昼夜で六地蔵を作ってやると請合って、三人の仲間を地蔵に扮装させる。田舎者が約束の時刻に来てみると、確かに三体の地蔵がある。喜んで残りの三体も見たいというと、三人が場所を変えて別の三体に扮する。もう一度元の三体を見たい、また残りの三体を見たい、と行ったり来たりするうちに…。
- 日時
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2018年7月18日(水)19時開演 ・19日(木)13時開演
- 場所
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大槻能楽堂 大阪市中央区上町A-7 TEL06-6761-8055
- 出演
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野村万作 野村萬斎 石田幸雄 深田博治 月崎晴夫 竹山悠樹 内藤 連
- チケット
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4月20日(金) 発売開始
S席7,000円 A席6,000円 B席5,000円 学生席2,500円(学生はM&Oplaysのみ取扱)
●お問合せ:M&Oplays 03-6427-9486
・チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:485-076]
・e+(イープラス) (PC、携帯)
・大槻能楽堂 06-6761-8055 窓口販売のみ
*18日(水)19時の部のS席は前回先行予約多数のため、残席僅少となっております。予めご了承下さい。19日(木)13時の部がオススメです。
*未就学児の入場はご遠慮下さい。
●企画製作・(株)M&Oplays