隣の男

岩松了三本連続公演

青春群像劇の名作、「アイスクリームマン」「センター街」と、ほぼ同時期に書かれた秀作「隣の男」。過去に上演された比較的初期の頃の岩松戯曲3本を取り上げ、一本は今年岸田國士戯曲賞を受賞した倉持裕の演出、2本は岩松本人の演出で上演するという試み。

人間の内部に潜む悪意や狂気・滑稽さを何気ない日常会話に乗せて展開させる独特のスタイルで熱狂的な支持者を持つ岩松ワールド。密室の緊張した人間関係を描いて、右に出るもののない作者の濃密な劇世界を、大きさの違う二つの劇場で同時に上演・検証する画期的な公演でした。

15年ぶりの再演

何気ない会話の中に様々な狂気を潜ませて、壊れかけた人間関係を鋭く描く岩松独特の筆致が確立された、初期の秀作。90年に竹中直人の会/第1回公演のために書き下ろされた本作品を、映画TVでめざましい活躍を見せる大森南朋の主演で15年ぶりに再演。4人の男女がある商店街のめがね屋の一室で繰り広げる濃密な人間ドラマは、まさに岩松の真骨頂ともいうべき作品です。

日時
公演終了しました。
2005年6月15日(水)〜26日(日)
場所
ザ・スズナリ
作・演出
岩松了
キャスト
竹田……大森南朋
八千代……鈴木砂羽
宇野……戸田昌宏
宮地……久遠さやか